通信環境の整備とITソフトの導入について

2021/09/21

前投稿 リモートワークの導入について より

 

テスト的に導入したものや検討段階で断念した製品などは省いておりますが、実際にこれまで約4年間で取り組んできた内容と導入製品をご紹介致します。

 

《iCAD/SX:3DCADソフトの導入》

富士通のiCADSX、設計製造支援ソフトを2017年度のIT補助金で採択を受け導入いたしました。

ペーパーレス化とは直接的に関係の無いものですが、結果的にシステムの一本化へ結び付く大きな役割を果たすソフトとなりました。

製図、部品集計、見積、発注手配、製造管理、納品請求など、弊社の一連の業務はこれまで個別のソフトや入力・集計で行っていました。

一つのデータで関連する業務を連携する事で入力作業の短縮、ミスを防ぐ効果を狙います。

この連携については業者の協力を得ながらのシステム作りとなりますので、現在も模索の段階でありますが少しづつ進めていきたいと思います。

 

《DocuWorks:電子文書管理ソフトの導入》

電子資料に直接入力したり、切り取って編集や捺印を行うためのソフトになります。

電子化した書類は基本的にそのままファイルへ取り込み保管、管理をする事となりますが、資料に記入したり編集する為に都度印刷していると電子化の意味も無くなり効果的とはいえません。

弊社は基本的にPDFで管理していますので、観覧や書込み程度であればAdobe Acrobat Readerの無料範囲で十分ですが、電子上で様々な資料に対応する為には有料コンテンツが必要となります。

DocuWorksは独特の使用感といいますか、慣れるまで結構時間をかけてしまいましたが編集機能も多く、机上での作業は全て可能ではないかと感じます。

他の資料を張り付けたり後の編集も簡単ですし、クラウド上のファイルに直接アクセスできる機能は便利です。

 

《PCA:給与管理・クロノス:勤怠管理ソフトの導入》

2018年度のIT補助金で導入した勤怠・給与管理ソフトです。

以前は出勤管理を手書き用紙で、給与は市販の簡易ソフトで管理していました。

作業日報管理と給与のチェックを作業主任→経理→税理士→労務士という流れで行ってましたが、人的作業の為集計ミスや漏れは稀に起きていました。

個人の打刻や時間外作業の申請など日々の確認は怠れないですが、集計作業時間の削減と照合性は飛躍的に向上しています。

今では顔認証や携帯アプリなど出退勤の打刻方法は様々ですが、工場出勤が前提の弊社では管理をしやすいICカードを取り入れてます。

印刷物も手渡しする給与明細と勤務表のみとなり、担当税理士や労務関係もデータ上での受け渡しで効率的になっています。

行く行くは社員毎にアプリやWEB上での明細・勤怠確認に切り替え、ペーパー0化を図りたいと考えていますが、アプリを扱えない社員も考慮し時期を検討したいと思います。

ちなみに経理・労務関係資料の受け渡しや問い合わせは、セキュリティーを考慮しMyKomonの会計事務所向けクラウドサービスを利用しております。

以前はFAXを使ってましたが、誤って取引先に会計資料を送ってしまった事があり、顧問税理士と相談しご提案頂きました・・

社員情報は特に、データの保守や取り扱いに気を付けなければならないので、その辺りも考慮しクラウドサービスの使い分けも必要だと思います。

 

《RICHO:複合機・Speedocの導入》

複合機について、昨年まで長く契約・サービスを受けてきたCONICA社製品からRICHO製品に切り替えました。

以前より商社の方から複合機の更新を進められてきましたが、正直ペーパーレス化を進める上で新しいコピー機の必要性はと考えると決断できずにいました。

印刷物を無くす方向で取り組んでいる最中に印刷能力に優れたコピー機の導入、その矛盾により更新を躊躇していましたが、それでも導入した経緯はデータを扱うアプリの種類、複合機能面での性能に効果を感じた事です。

前項でも述べた様に、社外資料は相手先によって合わせる必要がありますので、FAX、郵送で送られる物は複合機でデータ化しファイル管理する事となります。

Speedocは複合機のスキャナー機能を利用し、スキャンした資料のリネーム、ファイル分けやペーパーレスファックスを促進する機能として大きな役割を果たしてしてくれます。

 

《通信環境の整備》

ペーパーレスの要点はデータ管理にあると思いますが、リモートワークについては通信環境が要点になると感じています。

業務の遠隔、事務所を空ける事が多い弊社にとって特にリモートは重要な機能となります。

更に、データを社内共有するシステム作りには通信、wifiの環境作りは欠かせません。

こちらについてはもう素人の判断では追いつかないので業者に頼る事とします・・

調査としては工場敷地全体の通信速度の測定を行い、通信範囲をどの辺りまで安定して供給したいかを決めます。

敷地全体で5000㎡となりますが、すべてを補おうとすると費用が膨らむばかりです。

結果として事務所、休憩所、工場内、屋外作業場の主要4箇所に絞り、業務用のルーターと配線工事を行いました。

費用としては50万程かかりましたがこれも必要経費です・・

また、データへのアクセスですが、基本は社内か自宅の2箇所からとなりますので、自宅の通信環境も整える必要がありました。

こちらは独自回線を契約し、市販で手に入る程度の高性能ルーターに変える事で解決しましたので、安価に抑えられました。

以外の場所からのアクセスについては頻度も少ないので携帯端末や出先のWifiで補えますが、場合によってはポケットWifiを借りて対応しています。

 

《BONX GRIP:ウェアラブルトランシーバーの導入》

ITソフトではありませんが、こちらが弊社の業務改善に一番重宝し、即効果を実感できる製品となりました。

携帯アプリを利用したワイヤレス無線ですが、単なるワイヤレスマイクとは違い、携帯の通信範囲で使用するので距離を問わない通話と、グループトークが可能です。

販売広告を見るとスポーツやアウトレジャーでの使用が主な様ですが、BONX for BUSINESSでは企業用の拡張機能もあります。

ボタンを押すだけで通話できるので作業をしながら、チャットの感覚で無駄な挨拶や会話を省け要件を伝えられるので連絡網として大活躍しています。

指示外の会話でも全員が把握する事が出来、何しろ相手を探す、移動する手間が無くなる事で時間ロスと連絡漏れの改善に効果的です。

ちなみにこちらは通信環境に大きく影響されるので、Wifiの通信環境はしっかりと整えておく必要があります。

上記の通信環境の整備前に導入しましたが、工場などの建物間の移動では弱まるWifiの電波から切替が上手く行かなかったり、OSの違いで受信に差が出たりなどで途切れる事が多くありました。

4Gで使い続けるのも負担が大きくなるので、日常業務で連続して使用する目的であればWifiの通信環境面は重視したいところです。

また、ボタン押しでの会話で操作性に少し難があるのと、通常電話や他の周辺機器と重なるとアプリに復帰しない事があるのでその辺りは今後の改善を期待します。

他の類似製品との比較は行ってないですが、それを差し引いても価格・機能面では大変優れており、導入の効果は大いにあると実感しています。

 

《IWB:電子ホワイトボードの導入》

2020年度の小規模事業者持続化補助金で導入した電子ホワイトボードです。

マーケティングや会議場等で活用れているタッチセンサー型の大型ディスプレイですが、弊社では製造ラインでの導入をさせて頂きました。

ワイヤレス無線の導入で連絡事項の面では大きく改善されましたが、図面の詳細や、言葉や会話のみでは伝わらない内容も沢山あります。

そこでこの電子ホワイトボードにより工場と事務所からモニターを介して、詳細図面や資料を直接的に触り、電子記録として残す事で業務の効率化を図ります。

導入後間もない事でまだ試験的な段階ではありますが、作業者が大きな画面で図面や資料を自由に確認できる事も大きなメリットです。

業者サポートも手厚いので、今後も効果的な使用が出来る様相談しながら進めていきたいと思います。

 

《IJS:売上原価ソフトの導入》

2021年度のIT補助金(採択後の取り組み中)で導入予定の原価管理ソフトです。

管理自体は創業から独自の帳票で行ってきましたが、他の事務業務との連携が出来ない事で以前から時期を見ての導入を検討していました。

価格も数百万の差があったり数千人規模の管理機能など、製造業種や特に小規模事業者に見合う製品になかなか出会えず、色々とご提案をいただいた中でようやくIJSのレッツ原価プロの導入を決める事となりました。

会計ソフトを選ぶ中で重要視していた機能が他社製品とのデータの互換性です。

他社製品というのは別メーカの会計ソフトという事ではなく、全く別の業務からのデータ移行です。

CADの部品データを発注業務にエクスポートし、手配・入荷管理や工程管理に繋がれば業務はグンと楽になります。

逆に原価管理ソフトからインポートしたデータを活用する事も可能となりますので、連携する業務の幅を広げる事が可能となります。

しかし、これまで20年来培ってきた独自の管理体制からの切り替え(脱却?)となるので、それ相当の労力と時間が必要となります・・

導入時期は10月初旬、導入サポートを受け業務を平行しながらとなるので、遂行するまでは早くても年度明け~1年位はかかりそうです。

 

大まかな導入事例としては以上となります。

現在も取組み中なものや業者任せなところも多い為、中途半端な内容となりますがご了承ください。

私も社員もIT業務に対して決して詳しい方ではありませんが(むしろアナログ人ばかりです・・)、専門の方々より提案を受けながら日々学び、楽しみながら取り組んでおります。

同じ顔触れと同じ環境の中での日常業務でありますが、ほんの少しづつでも前に進み、変化を実感できればと思います。

 

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