過去に開催されたイベントについて2/2
2020/07/20
●昨年の5月に大阪で開催されたiCADフォーラム35thについて
ICAD導入後、習得に向けて地道に進んではいましたが、遠隔サポートでは理解する事が難しい所もあり
担当者に相談したところ、今回のセミナーを案内していただくことになりました。
会場には大手企業名がずらりと並び、地元の一般的な展示や講演とは違い身が引き締まります。
事例講演では代表される企業の方々から導入事例や、様々な取組について講演が行われました。
実際に取り組んでいる具体的な内容であり、近未来的なものづくりを業務として実行している事に驚き
また、現場の悩みや問題、様々な3次元CADを導入し定着するまでの苦難や経験などを踏まえた話もリアルでとても参考になりました。
強く印象に残ったのは、特別講演でのトヨタ自動車株式会社・開発室の方の事前演説で
「これからの時代は3Dを主体としたものづくりに切り替わり、2D図面の活用を無くして行く」といった内容でした。
トヨタ自動車の所有する全ての2D図面データを3Dに移行する計画を、1年位かけて実現したそうです。
膨大な量の図面データもですが、何よりグループ企業含め3Dに対応する為の環境作りは壮大なプロジェクトであったようです。
また、目的であるユーザー限定のステップアップセミナーを受けられた事で、これまで解決出来なかった疑問も解決し
改めてiCADで出来る事、その反対も今まで以上に理解することが出来ました。
その他ホールブースではCAMや構造解析ソフトの展示がされ、特に個人的に興味を引いたのがVRを用いたDIPRO Virtual Realityです。
iCADの3Dモデルをそのままバーチャル空間で体感できるというツールですが、もの凄いです・・これ。
ゲームコントロールの感覚で実際に実物大の製品を自由に見て、動かし、不具合があればその場で編集ができちゃいます。
リリース間もない製品であったので、まだ機能的に気になる箇所もあり、価格と性能が落ち着いたら是非とも導入を検討したいと思う製品でした。
浦島太郎ではないですが全てにおいて、ものづくりの時代の変化というものに大きな衝撃を受けましたが
何より、田舎の小さな町工場から参加した弊社を丁重にむかえて下さった「富士通」というメーカーサポートの手厚さに感激しました。
今「100年に一度の産業革命」といわれている時代にある、この事実を実感し目の当りにできた事は大きな収穫であったと感じます。
しかし、参考とする情報は沢山ありましたが、実際のところ弊社は加工をメインとする小規模事業です。
如何せん会社の規模が違いますし、恥ずかしながらその場は取組みとして具体的なイメージが持てず
企業規模と地方間の温度差に愕然とした気持ちの方が強く残りました。
弊社もそうでしたが、この地域は特にAIやペーパーレス化すらも遅れているようで、未だにFAXという古い通信手段が切り離せないのが現状です。
特に自社のような組立・加工業務を主とする会社は開発部門が無い為、業務アシストとして必要とされない部分が多く
末端の製造工程の底上げが本当に可能になるのかどうか、3D化を用いる事での実現も難しい課題でありました。
実際にiCADを取り入れてから習得をして行き、それを業務に生かせる様になるまで1年以上は経過しておりますが
そのメリットを実感し、業績として成果が表れたと感じるまでは多くの時間を費やしてます。
他の3D設計ソフトも検討しましたが、今回のフォーラムを通じて
メーカーサポートの充実度が非常に高い富士通を選んで良かったと思います。
さらにコロナ過により拍車がかかり、ここ数ヶ月で急激にIT化やオンライン事業が身近でも広がっています。
以前から業務のデーターベース化を進めてきたこともあり、新しい事業スタイルもストレス無く受け入れる事ができましたが
今となり、昨年のフォーラムで一番印象の残った「3Dを主体としたものづくり」の真意を感じています。
弊社の規模でもこれまでの加工工程に変化が見られ、加工詳細図や指示書といった紙媒体が減り、印刷物が激減しています。
さらに労働時間の削減と売上の両立も成果が見られるので、今後も積極的に情報を集め
厳しい時代に生き残れる会社として出来る事を頑張っていきたいと思います。
弊社は決して、画期的で新しいものを生み出せる会社ではありませんが、従来培った技術を生かし
お客様が求める設計図通りで間違いのない「安心していただける確かなものづくり」を理念とし
さらに+αのサポートが出来る様あたらしい取り組みにチャレンジして行きたいと考えています。
上記イベントを含め、今年開催される予定であった案件は全て中止となり
ただでさえ外に出る機会が少ない自身にとって、そのきっかけとなるイベントが無くなるのは非常に残念です。
オンライン展示会や案内など移動時間が無い、場所を問わず気軽に参加できるメリットは大きいですが
自宅や社内だと色々と横槍が入ってくるので、落ち着いて視聴する事は中々難しいです。
提供する形も新しくなってきていますので、そこには慣れて行くようにしないといけないようです。
この先コロナ終息後に現地イベントが再開され、安心してイベントに参加できることを願い
感染対策と行動の責任を持って、社員・家族一同この状況を乗り越えたいと思います。